IIIF応用
以下の、前回記事の続きです。 digitalnagasaki.hatenablog.com こちらの記事では、新しいことや難しいことをすると大変だ、という話ばかり書きましたので、がっかりした人もおられるかもしれません。 たしかに、良コンテンツを持っているところでなければ高…
このところ、少しずつ時間をみつけて改良を続けている、「大正新脩大蔵経と他の木版・写本を簡単に比較できる仕組み」ですが、表示を高速化できるように色々工夫を行いまして、割とお待たせせずに表示できるようになりつつあります。 それから、「木版大蔵経…
デジタルアーカイブのためのプログラミングレッスン、ということで、国立国会図書館のNDLデジタルコレクションを対象として、主にIIIFのデータを扱うことを目指した基礎的なプログラミングレッスンの教材を作成中です。ようやく第7回を追加しました。ここま…
京都大学高等教育研究開発推進センターが9月末に廃止されることに伴い、「京都大学オープンコースウェア(OCW)」が閉鎖されるというニュースに接した。実際のところ、これがその後どうなるのかはわからないが、現在知らされている範囲では、とにかくなくな…
今度の土曜日、1/22に、日本学術会議の公開シンポジウム「総合知創出に向けた人文・社会科学のデジタル研究基盤構築の現在」が開催されます。 日本学術会議には「分野別委員会」があり、それぞれの委員会が分科会を設置して特定のテーマについて議論します。…
IIIFでの画像ビューワの一方の雄であるMiradorは、現行バージョンのMirador3が出てしばらく経ちます。Mirador2の更新が止まってしまったことで、Mirador3に移行するところも徐々に増えてきているようにみえます。 しかしながら、Mirador3は、Mirador2の時代…
本日、初めてのIIIF動画アノテーション講習会を実施しました。受講者だか講師だかわからないような人たちが続々ご参加くださったおかげで大変有益な議論ができました。 これにあたって、どういう風にすると皆さんが試しやすいだろうか…と考えつつ準備をする…
追記:動画に色々描き込んだりするのはYou○ubeやニコニ○動画でもできるんじゃないの…?と思われる人も多いと思いますが、 大きな違いが2点ありますので、それを挙げておきます。 まず、それらは今のところ基本的には「時間」に対して文字のアノテーションを…
しばらく前に実装したのですが、なかなか紹介するタイミングが作れなかったので、IIIFの動画コンテンツの扱い方の紹介にあわせて、SAT図像DBのIIIF画像を『あつまれ動物の森』に取り込む方法をご紹介したいと思います。 ちなみに「あつまれ動物の森」は、以…
IIIF対応ビューワの代表格の一つ、Miradorの新バージョンが、ついに正式リリースとなりました。バージョン2の反省を踏まえつつ、一方で、バージョン2を通じて一気に広がった開発者コミュニティのパワーを活かして、バージョン2よりも圧倒的に便利そうな雰囲…
先週、数人の知り合いの人文系開発者の方々と、一緒に集中的に開発やデータ作成をしようということで、南房総の方で合宿をしてきました。年甲斐もなく、自分も開発に集中してしまったのですが、どうしてもよくわからなかった事柄の理解を中心に、かなり集中…
透過度や位置を変更できるようにしましたが、いちいち数字を入れてボタンを押す・・・という操作はいかにも面倒です。透過度の調整は、スライダが適しているように思えます。そこで jQuery UIのスライダを組み込んでみましょう。 とりあえず、動くスライダを…
IIIF Presesntation APIを理解する上で、IIIF ビューワを作ってみるとよいのではないかと思いまして、ちょっとチュートリアル的なものを作ってみました。 と言っても、一から作るわけではなく、画像表示部分はOpenSeadragonにおまかせ、という話です。OpenSe…
切り出しができたところで、さてこの後はどうしましょうか、ということになりますが、OpenSeadragonには図形や画像を重ねて一緒にズームできるようにするAPIが用意されていますので、切り出した画像を重ねてみる、という仕組みを用意してみましょう。これは…
前回までで、ページめくりからページ指定までできるようになりました。ここまできたら、もう少し色々な機能をつけてみたくなります。そこで、IIIFの面白さの一つとしてよく採り上げられる、画像切り出しをやってみましょう。 画像切り出しプラグインの導入 …
前回までで、とりあえず、IIIF manifestを指定するとそこに含まれる画像を順番に表示して拡大縮小もできるようになりました。ここまでで、IIIFビューワのごく基本的な機能は作れたと言ってよいのではないかと思います。 ここからは、もう少し便利にするため…
さて、前回の続きです。 IIIFでの画像のURLをManifestから取り出す 先に見てきたように、画像の @id のJSONでの階層を確認しました。そこで、それを取り出して表示させてみましょう。$.ajaxで取得してmaniJsonに入れたmaniefstファイルで、「複数のsequence…
IIIF Presentation APIについて、当ブログではこれまであまり言及してきませんでした。その理由は大きく二つあって、一つは、JSONを読める人なら必要があったときに見ればすぐにわかるのではないか、ということと、一方で、コンテンツの専門家のレベルでは、…
IIIFを日本で紹介し始めた当初から、「公開はできないけど手元に持っている画像を公開画像と比較できないのか」と、主に仏教文献学的な研究をやっている方々から言われてきました。理論的にはもちろん可能なのですが、比較的簡単に、しかしサーバにアップロ…
いよいよジャパンサーチのベータ版が公開され、日本でも統合検索が一層本格化しそうな流れになってきて素晴らしいことです。 ところで、諸般の事情により、EuropeanaからIIIF manifest URIを取得する必要が生じたので、色々試してみました。一応、やりたいこ…
色んなところで少しずつお話をさせていただく機会がありますので、そのたびにIIIFが日本でも徐々に広まりつつあるという話をしております。そうしておりましたら、本日「どこでそういう情報を得られるのか」という質問をいただきましたので、今、一番使いや…
いよいよ、出ました。 IIIF Curation Viewer | 人文学オープンデータ共同利用センター の重要なアップデートです。 一言で言うなら、 「世界各地の高精細画像で簡単に自分の仮想コレクションを作れるようになりました」 これは、IIIFが目指す世界における重…
ついに、待ちに待っていた京都大学附属図書館からのIIIF対応デジタルコレクションが公開されたようです。「京大貴重資料デジタルアーカイブ」だそうです。素晴らしいことです。 京都大学附属図書館は、東京大学大学院人文社会系研究科人文情報学拠点に続いて…
前回と前々回の記事の続きです。 百鬼夜行絵巻のつながり方についての議論を少し前に山田奨治先生からおうかがいしたこともあり、国デコ(国立国会図書館デジタルコレクション)に百鬼夜行絵巻が二つ入っていることは以前から気になっていました。これも並べ…
今回の記事は、前回の続編ということで、国デコ(国立国会図書館デジタルコレクション)の絵巻画像をサーバ上では分割されたままで配信しつつ、IIIF対応ビューワMirador上でつなげて閲覧するための位置情報の取得を比較的効率的に行うための作業手順について…
何度かご紹介してきた、Miradorに新規搭載されたLayer機能ですが、これを応用すると、複数に分割された画像をまとめて表示する、ということもできるようになります。ここでは具体例として、カルガリー大学の楊先生のリクエストにより、国立国会図書館デジタ…
メールマガジン人文情報学月報のイベントレポートで何度か触れてきましたが、トロント大学図書館の「写本研究のためのデジタルツール」プロジェクトで開発されていた、「既存のIIIFコンテンツを収集・共同編集するツール」が、ついに公式リリースされました…
前回記事の続きのようなものですが、しかし、これも大きなトピックかもしれないと思いましたので、記事を分割しました。 一つの画像に、赤外線写真とX線写真を重ね合わせてみる、というものも、汎用ビューワでできるようになったようです。まずはこちらをご…
また少し時間がたってしまいましたが、今回は、6月にヴァチカンで開催されたIIIFカンファレンスで仕入れてきた話を一つご紹介します。IIIFが当初目標としていた、「バラバラになって各地の機関に保存されている西洋写本の断片をまとめて表示する」という機能…
IIIF対応ビューワの代表格の一つ、Miradorですが、アノテーション機能と複数画像同時表示機能という大変便利な機能を提供してくれている一方で、右から左へのページめくりに対応していないため、東アジア系の資料に適用することがなかなか難しい状況でした。…