動画へのアノテーションを(サーバなしで)手元で試してみる

本日、初めてのIIIF動画アノテーション講習会を実施しました。受講者だか講師だかわからないような人たちが続々ご参加くださったおかげで大変有益な議論ができました。

これにあたって、どういう風にすると皆さんが試しやすいだろうか…と考えつつ準備をするなかで、やはり、IIIF Manifest のJSONファイルを手元で書いて、それに手元で アクセスして確認&閲覧できるようにするのが便利だろうという気がしてきたので、Miradorをローカルで動かす方法を考えてみました。これだと、 インターネットサーバがなくても、普通のパソコンでも試せます。

ただ、これをやるためには、自分のパソコンにHTTPサーバを立てなければなりません…と言っても、今時は、Python3でコマンド一発ですので、 これを機にPython3を入れましょう! (たとえばこちらのPythonインストールガイドをご参照ください

というわけで、Python3をインストールした状態になったとしましょう。そうしたら次に、 こちらのzipファイルをダウンロードして展開してみてください。

そうすると、「ws_iiifvideoanno」というフォルダができて、その中にいくつかファイルが入っていると思います。 ここで、この「ws_iiifvideoanno」の中に移動して、そこでPython3のHTTPサーバを立ち上げます。コマンドは

$ python3 -m http.server 8000

です。この状態で、 http://localhost:8000/ にWebブラウザでアクセスすると、ws_iiifvideoannoに入っているファイル名の一覧が表示されるはずです。 もし表示されなかったり別のファイルが表示されるようであれば、上記のコマンドを実行する際のパスがずれているかもしれませんので、確認してみて ください。

$ cd 実行先ディレクトリ (フォルダ)へのパス

で目当てのディレクトリ(フォルダ)に移行できる移動できるはずですが、うまくいかなければ適宜ググってみるなどしてみてください。

ファイル一覧が表示されたら、次は、まず、「cat_video.html」というファイル名をクリックして、Webブラウザで ネコの動画がMirador上でアノテーション付で表示できるかどうか、確認してみてください。これができれば、 Miradorがこの環境で適切に動作しているということが確認できたことになります。

次に、一つ前のページ(ファイル名の一覧)に戻って、「video_practice.html」というファイルを、同様に、ファイル名をクリックして、Webブラウザで 閲覧してみてください。今度はMirador上にあつまれ動物の森の動画に3つだけアノテーションがついたものが表示されるはずです。 このMiradorインスタンスでは、同じフォルダ(ディレクトリ)の mani_pra.jsonというファイルを読み込んで表示しています。

ここまでできていれば、あとは簡単です。mani_pra.json というファイルは、練習用に用意したIIIF ManifestのJSONファイルですので、 これをMirador上の表示と対照しながら色々試してみてください。

なお、IIIF Manifestのid (URI)は、最初が、http://localhost:8000/ となっていますが、これは、ローカルで動作させるためのものです。 インターネットサーバに載せようというときは、このURI部分をサーバ用のものに検索&置換してしまえばよろしいかと 思います。

あとは、以下のページを適宜読み替えながらご参考にしていただけばよろしいかと思います。

dh.l.u-tokyo.ac.jp

こうやって書いてみると、重たい動画編集ソフトを立ち上げたりラスタライズをじーっと待ったりしなくても、 テキストファイルをちょこちょこいじるだけで動画コンテンツをリッチにしていけるというのもなかなか 面白い点の一つかもしれないと思えてきます。

ということで、楽しい年末年始をお過ごしください!