オンライン授業のための情報まとめ

これから日本でオンライン授業をやるとしたらどういう形で可能なのか、ツィッタをながめていて得られた情報をまとめてみました。(これから徐々に追記していきます)

単位認定するには?

基本的に、送受信双方が同時通信に対応できるのであれば、あとは現実的な工夫でなんとかなりそうです。(でもご自身でもきちんと確認してください!)

という感じです。わかりやすくまとめられたスライド資料もあります。

で、「終了後速やかなサポートと意見交換の場」というのは、たとえばこういう感じのようです。

同時配信の設備って!?

筆者のおすすめはZoomというソフトです。双方向ビデオ会議がかなり楽にできます。

東大DHの大向先生のご協力により、これを使うとどんな感じでできるか、という動画を作ってみましたので、まだあんまり使ってみたことがない人はご覧になってみてください。なお、動画では会議用マイクスピーカーを 使っていますが、ノートPC内蔵のマイク&スピーカーでも通常は十分に対応できます。ここでは、動画収録のために敢えて会議用マイクスピーカーを使用しています。

www.youtube.com

スマホやタブレットから参加するとどういう風にみえるか、という動画も作ってみましたので、受講生側からどう見えるのか気になる向きはこちらもご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=ptCG41MD57Y

なお、実際に使う場合には、こちら⇓など、きちんと使い方を紹介しているサイトをご覧になってからにしてください。

気になる料金については、この時期は教育機関向けに無料プランを用意しているようです。

有料になっても、ホスト側が月々2000円くらい払えば、受講生側は100人まで無料で参加できるプランがあります。

zoom.us

月々2700円で300人まで参加できるプランもあるようで(ただし、10ホスト分以上のまとめ買いが必要なようで、実際は月々27000円からになるようです)、多くの大学の授業はこれくらいで対応できると思いますが、大学単位で加入している場合もあると思いますし、 これから加入する大学もあると思いますので、今回の無料プランを利用しつつ所属大学の動向を注視しておくのがよいのではないかと思います。

学生の負担が!

そもそも、

という問題があるので、ゼミ単位くらいならなんとかなったとしても大人数の授業の場合には 全員きちんと参加できる環境があるかどうかを確認する必要がありそうです。

その上で、ですが、パソコンで何らかのソフトを使わないとできないような 内容でなければ、スマホかタブレットがあれば大体大丈夫ですので、そこまで行ければ あとは授業の組み立て方次第で対応できる授業もあるでしょう。ただ、ネット接続料金が それなりにかかってしまうので、使い放題プラン的な契約をしていない限り なかなか難しいことになりそうです。この点もなんらかの配慮が必要そうです。

こんなとき、たとえば、孫正義さんが「コロナ対応期間中のオンライン授業時間分の無料SIMカード、すべての学校を対象に配りますよ」と言ってくださったら、 自分の回線全部ソフトバンクに乗り換えて一生使いますけど、どうでしょうかね?

現実的には、「距離を離して座れるようにしたパソコン端末/タブレット端末席」などを図書館やラーニングコモンズのような ところにたくさん配備してそこには来てもいいようにするとか、パソコン端末室で距離を離して座ってもらうようにするとか、wifiは用意されているところが 今時は多いでしょうから、端末は用意せずともパソコン/スマホ/タブレットのいずれかを持ち込んでもらって良いあんばいに着席してもらう、 という感じでしょうか・・・。これはなかなか難しいところです。

著作権が心配!

受講生のみを対象に、ライブ配信の中での利用であれば、著作権者の許諾なく著作物を利用できるようです。

fd.code.ouj.ac.jp

www.kknews.co.jp

ただし、「「主会場」での授業が「副会場」に同時中継されている場合に」限られるようですので、その点もご注意ください。

www.bunka.go.jp

<オンデマンド配信の場合はちょっと大変です!>

「がんばって取り組んだオンライン講義を録画したのだし、割とうまくいったような気がするから学生達がいつでも復習できるようにオンデマンド配信しておこう」と 思ってしまうのは人情ですが、それはいきなりハードルが高くなります。

current.ndl.go.jp

上記のサイトにも説明されているように、先日の著作権法改正によりオンデマンド配信の場合にも対応できるようにするための制度が用意されつつありますが、まだ実施段階には至っていません。 (実施段階に至ったとしても、お金を払わねばならない上に契約が必要、かつ、契約範囲でしか対応できないために契約範囲の確認という業務も発生しそうで、 個々の教員の努力でなんとかなるレベルかと言えばちょっと難しいです。大学単位とか大学コンソーシアム単位等での対応になるのではないでしょうか。) ただし、今回の状況にあわせて緊急避難的な措置が一部で行われています。

以下の頁を見ると、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)の「声明」を受けて、参加団体が 徐々に対応を表明しつつあるようです。

新型コロナウィルス感染症対策に伴う学校教育におけるICTを活用した著作物の円滑な利用について | 文化庁

今のところは、上記のように対応を表明してくれている団体が管理する著作物以外は個別に著作権利用許諾を得るしかないようです。

向いてない授業もあるのでは?

まだあんまりあがってきてませんが、モノを実際に扱う授業だけでなく、対面での体験が重要なものも厳しそうです。

特に、初年次ゼミが挙げられています。

他にも色々あるようですので、少しずつリストアップしていきますね。

欧米出羽…

こういうとき、つい気になってしまう「欧米」ですが、欧州は色んな国・文化があってそんなに先進的でないところも結構ありますし、米国の大学も結構色々のようです。

米国の有力大学の多くはオンライン授業に移行するようです。ただ、授業料だけで年間300-500万円くらいとっているようですので、日本の大学とはできることが全然違います。学生10人あたり教授なら1~2名分、助教なら3~6名分くらい違いますし、その財力を以て教育・研究支援職の人達もたくさん雇っているので、状況が全然違います。メディアを見ていると有力大学の話ばかり伝わってきますが、それほど有力でない大学教員の知人の話を聞いていると、教員や学生のIT環境に問題があって難しい、という話が出ていました。

欧州の大学の場合、学費無料や安めの設定をしているところもある一方、ITインフラが脆弱なところも結構あったりして、全体として語るのはちょっと難しいような感じがしております。

我々は我々で、できることを着実にがんばりましょう。