IIIFを外注で導入したい場合には

 デジタルアーカイブを効果的に利用できるようにするためにIIIFの導入を検討しているが、内製は難しい、という機関・組織は日本には少なくないだろう。そこでまず確認してみていただきたいのは、連携可能な関連機関でIIIFにすでに対応していないか、ということである。親組織を同じくする別の組織がIIIF対応のデジタルアーカイブをすでに公開していて、コンテンツを増やしたいと思っていることもあるかもしれない。あるいは、IIIF対応のデジタルアーカイブを公開しようとしていて、関連組織のコンテンツもあれば一緒に公開してしまいたいと思っているかもしれない。構築・公開にかかるコストを節約できれば、その分、コンテンツの充実化にコストをかけることができるかもしれないし、喫緊の全く別の課題に費用をまわせるかもしれない。デジタルアーカイブの現場での様々なトレードオフをなるべくうまく乗り切っていくことは、デジタルアーカイブ社会の実現を考慮した場合にも重要な課題だろう。

 

 さて、色々な事情を考慮した結果、やはり単独で企業に発注する以外に方法がないことがわかった場合、仕様書を作成して発注するということになるだろう。これが入札になる場合、入札参加資格の格付けについても配慮しなければならず、対応可能な企業の存在を確認しておく必要があるだろう。そこで、IIIF対応可能な企業についての情報共有ができると望ましい。以前にも一度、こちらで情報共有したことがあるが、先日北海道大学図書館でIIIFに関する講演をした際に情報をアップデートしたので、筆者が現在把握している情報ということで、以下にリストアップしておきたい。

国内IT企業によるIIIFソリューションの活用

  (現在、永崎が把握している範囲で)

ヴァティカン図書館/近畿大学

国文学研究資料館東日本大震災アーカイブFukushima/国立歴史民俗博物館岡山県立記録資料館

慶應大学メディアセンター/京大附属図書館

  • ㈱ メノックス⇒オープンストリーム

島根大学附属図書館

  • ENUTechnologies

東京都中野区立図書館、練馬区立稲荷山図書館

  • ヴィアックス

九州大学附属図書館

その他、対応可能とうかがっている国内IT企業

  • イパレット(堀内カラー)、TRC-ADEAC、メタ・インフォ

 

他にもご存じの企業/ソリューションがあれば、ぜひ情報をお寄せいただきたい。