Zoomにはレコーディング機能がついていて、保存したらすぐにmp4で保存してくれるということで、この利便性は筆舌に尽くしがたいものがあります。一度レコーディングしながらオンライン授業を実施すれば、あとはそれをどこかに載せておいて受講生から見られるようにしておくだけでオンデマンド配信の教材になります。…というのはちょっと安直すぎることもあるかもしれませんが、色々な操作をZoomの「画面共有」でやってみせて、それをあとから見られるようにしておけるというのは、オンライン会議システムとしての特徴がクローズアップされるZoomの、少し隠れた名機能ではないかと思っております。実際、かなり活用しています。
ただ、一つ難しいことがありまして、それは「Zoomの使い方をZoomで記録する」ことです。というのは、これまで試してみた限りでは、Zoomのレコーディング機能では「チャット」や「参加者リスト」も一緒に映し込んだ状態での録画ができないようなのです。そうしますと、「このタイミングで参加者リストにカーソルをあわせてこのようにミュートを解除してみましょう」というような操作の説明をZoomでは録画できない、ということになります。
しかし、なんとかして、録画したいというニーズはあるでしょう。筆者は今回、とある学会のオンライン開催のためにデモ動画を作ろうとして、この問題に突き当たったのでした。
そもそもZoomも画面も同様にデジタルなのですから、なんとかして録画できるはずです。実は筆者は、以前に東京大学人文情報学部門の大向一輝先生とともにZoomの使い方動画を撮ったときに すでにその問題を一度クリアしていたのですが、そのときはビデオミキサーを通すという大技を使いましたので、Zoomでの録画のような手軽さとはかけ離れたものであり、出先でちょっと 録画する、というようなことには使えなさそうな方法です。一応、後ほどそれについてももう少し説明しますが、やはりパソコンだけで完結する、なるべく簡単な方法を目指したいところです。
Windows10の現行版限定の方法なのですが(MacOSだともっと簡便な方法があるかもしれません)、まず、Zoomのウインドウを選択して前面に出しておいてから、Windowsキーを押しながら「G」を押すと、ゲームバーが開きます。ここで任意のウインドウの録画機能というのがありますので、録画ボタンを押すと録画が始まります。ただ、ここでマイクボタンにも注目しておいていただきたいのですが、この状態だとこのままですと自分の声が入らないので、
以下のように、マイクボタンをクリックして、マイクをONにしてください。そうすると自分の声も録音されるようになります。(ただし、結構ノイズが多くて難儀しました。マイク等に工夫の余地があるかもしれません。)
ここで自分のマイクの音のノイズに困ってくると、Zoomのノイズキャンセル機能の良さ(まあまあ良い)を実感することになるかもしれません。
が、それはともかく、ここで録画した動画は「ビデオ⇒キャプチャ」のフォルダにデフォルトでは保存されるようですので、そちらを開いていただけば、 録画されたものが見えるはずです。
もし、自分のマイクの音のノイズの解決がどうしても難しいという場合、もう一台のWindows10マシンをZoomミーティングに参加させて、そこで録画するという 方法もあります。ただ、参加者リストやチャットを操作しながらその画面を保存しつつ自分の声も…という場合には、パソコンを2台ならべて操作して、 操作と録画は片方で行いつつ、声だけはもう1台のZoomミーティング参加させたマシン経由で出す、という方法もあるかもしれません。あるいは、 顔も出したければ…といった案配で、2台目をうまくつかうと色々なことができるようになります。
苦労の成果…は非公開動画ですので、キャプチャ画面を出すのもちょっと、というところです。残念ながら。いずれ公開できるようになることがあればと思っております。
一方、ビデオミキサーを使った撮影の方は、Roland Pro A/V - VR-1HD | AV ストリーミング・ミキサー というのを用いました。ノートPCのHDMI出力から このビデオミキサーに画面を出力した上で、ビデオミキサーからさらに他のPCにUSB接続で映像を戻して、そちらのPCで録画する、ということになります。 ビデオミキサーは複数台のHDMI出力の機械を接続して切り替えたりpicture in pictureで表示することもできますので、夢は色々と広がります。 この場合、音声に関しては、また別のラインからとった方がいいかもしれません。このやり方の方は、まさにZoomでのオンライン講義のやり方、という ことで録画したものが公開されています。すでにご覧になった方もおられるかもしれませんが、 そういう機材を用いるとどのように撮影できるのか、という観点で見ていただくとよいかもしれません。