Zoomのミーティング×10を自宅でモニタできるように

今回、とあるお仕事で、表題のような設定をしたので忘れないうちにメモっておきます。

状況としては、Zoomミーティング10件を同時運用するオンライン会議の運営者複数名が、各地の自宅環境において、 Zoomミーティング10件をモニタしたい、というものでした。

Zoomは、もしかしたら高級な契約をするとできるのかもしれませんが、私のできる限りでは、 パソコン1台では1度に1つのミーティングしか出入りできません。パソコン10台を並べれば 10件のミーティングの状況をモニタリングできますが、しかし、運営者が各地に 散らばっている場合、各地にそれぞれ10台パソコンを配備するのは費用的に難しいですし、 そもそも自宅接続だとスペース的にも無理だという人が多いでしょう。

そうすると、どこかでパソコン10台ならべて10ミーティングを集約してYouTubeにライブ配信してしまえば、 運営者の方々はパソコン1台しかなくても自分のZoomミーティングをしながらYouTubeの配信を見れば よいということになります。

パソコン10台並べて集約してYouTubeに…というのも大変そうですが、1箇所でよければ なんとか見つけられそうです。

パソコン10台持ってるのか、、、というのは、かき集めれば実はあった、という人も 結構おられると思いますが、インターフェイスやスペックがそろってないとこういう 時は大変です。そこでレンタルPC屋さんです。これが以外と安く、たとえば パソコンレンタル全国即納 | e-タマヤ を何度か利用したことがありますが、4日前に 見積もりを始めて、往復含めて4日間で、HDMIポート付き(ここ確認大事!)/メモリ16GB/SSD256GB/Win10で、7万円切りました。 個人で出すのは大変ですが、参加者100人だと一人あたり700円、学会参加費のようなものの一部として考えると それほど高額でもないかもしれません。

さて、これらをどう接続するか、ですが、ビデオミキサーなどと呼ばれる類いの 商品がありますので、それを見てみると…ありますね。たとえば、Rolandの以下のものだとHDMI接続で 8台いけます。この機械は大変優れモノなので、このままモニタにつなぎこんで色んなことができちゃいます。 proav.roland.com

ちょっとお高くありませんか…と、やっぱりこういうものはレンタルしちゃいたいですね。

rental.pandastudio.tv

これにざくざくと8本のHDMIケーブルを挿してPCとつなげば8台のPCは一緒に表示できる ようになります。V8-HDで8画面を一覧表示すると圧巻です。

ただ、今回は10ミーティング、ということになっています。このままだと2台分足りません。 さて…ということで、以前から持っていたVR1-HDに登場していただきました。

proav.roland.com

ただ、不思議なことに、この機械は、せっかく3系統の入力を持っているのに、同時に2系統しか表示することが できません。しかも、私は少し前に買ったのでファームウェアが古く、「画面を二つ横に並べる」という機能を 使うことができず、ファームウェアアップデートをする必要がありました。この点、ちょっと注意が必要なようです。 が、VR1-HDユーザのみなさまにおかれましては、アップデートするとその機能が使えるようになりますので 大変おすすめです。

さて、VR1-HDは、合成した映像をUSB3でパソコンに直接流し込める賢い奴ですが、V8-DHもそれができるかと 思っていたらどうもできないようだ!ということがわかって、慌てて秋葉原に駆け込んでしまったのですが、 さすがの秋葉ヨドバシ…と言いたいところ、HDMI出力をパソコンに取り込める機器はほぼ品切れで、 1080pでUSB2.0に取り込む、というやや低スペックなものしか在庫がなく、しかし、YouTubeでは 十分かとも思い、とりあえずそれを入手したのでした。

というわけで、1台のパソコンに、USB接続にてV8-HDのHDMI出力と、VR1-HDの出力、あわせて10台のPCのHDMI出力を取り込めるようになりました。

PC8台 ⇒ V8-HD ⇒ HDMIキャプチャ ⇒ ホストPC

PC2台 ⇒ VR1-HD ⇒ ホストPC

という構成です。

さて、これをまとめてYouTubeに流し込みたい・・・ということで出てくるのが最近注目を集めているフリーソフト、 OBS Studio です。

obsproject.com

このソフトは、YouTubeにライブ配信する時に使われることも多いようですが、「映像キャプチャデバイス」を複数指定することに より、今回のような複数のソースもまとめて取り込むことができます。

f:id:digitalnagasaki:20200704002751p:plain

(画面の下の方の「ソース」の左下の+アイコンをクリックして「映像キャプチャデバイス」を選んでから…)

f:id:digitalnagasaki:20200704003004p:plain

(いくつかデフォルトのままでクリックしていくとこのダイアログに来ますので、ここで「デバイス」からV8-HDやVR1-HDにあたるものを 選べばそれが表示されるようになります。このPCは別のPCなので表示されてませんが、上記のようにそれぞれをUSB接続しておくと、 それらが自動的に「デバイス」に表示されるようです。大変優秀ですね。)

複数ソースを表示させると、最初は重なっているのでよくわからないと思いますが、パワーポイントの図形のように、 個々の動画ソースのサイズをドラッグで変更できるようになっています。そして、右クリックして「順序」を選ぶと重なり具合を変える こともできます。

というわけで、あとは、二つの映像ソースのレイアウトを適宜変更した上で、YouTubeでライブ配信開始して、関係者の方々に 閲覧用URLをお届けすればOKです。

なお、YouTubeでライブ配信をしたことがない人は、ライブ配信のための登録手続きに24時間くらいかかりますので、その点は よくご注意ください。

ということで、今回は、OBS Studioの便利さに圧倒されたのでした。こういうものまでオープンソースで使えるのは素晴らしいことですね。