IIIFの活用をもう少し踏み込んで:SAT2018の事例より

ここのところ、合間を見つけて、ちょこちょこと作っていたものが、ようやく日の目をみてもよさそうなところまできたのでご紹介です。再びIIIFの話です。

 

SAT大蔵経テキストデータベース2018(SAT2018) と IIIF Manifests for Buddhist Studies (IIIF-BS)をうまく組み合わせてより利便性を高めたいと思っておりまして、結果として、以下のようなものができました。たとえば、『妙法蓮華経』の例を見て頂くと、右下にダイアログが開いて、以下のように、各地から公開されている経典画像の断片が、全体のどの部分にあたるか、というのが比較的正確に表示されるようになりました。

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これは大正新集大藏經の行番号をIIIF-BSで各IIIFマニフェストに割り当てておいて、その行番号をみて該当する箇所に該当するIIIFマニフェストを表示しています。横方向が経典の全体で、そのうちでそれぞれのIIIFマニフェストが対応する部分に関して、バーとして表示されるようにしています。このバーをクリックすると、IIIF対応画像に関しては、上のようにMiradorに表示されます。なお、この図の縦方向は、今のところ、公開期間ごとに分けているというだけでそれ以上の意味はありませんのでご注意ください。これを年代別にできるといいなあと思っているのですが、そのためには各画像の年代を調べて書いていかないといけないので、それはちょっと骨が折れそうです。(でもいつかできるようにしたいです)

 この表は、ホイール操作でズームすることもできるので、たとえば以下のようにして拡大してみて、各資料がどこまで残っているかを詳しく比較しながら確認することもできます。

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それから、「高麗蔵」「宮内庁宋版一切經」などは、まだIIIF対応ではないので、単に新しいウインドウ/タブがポップアップするだけ、という風になっています。

お試ししてみたい方は、以下にいくつかリンクを用意しておきますので、それぞれクリックしてみて「巻タイトル」の隣にある「画像一覧」というボタンをクリックしてみて下さい。そうすると、上記のような画像一覧の表が表示されるようになっています。

 

妙法蓮華経

http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/T0262.html

『金光明最勝王経』

http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/T0665.html

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今夜はもう寝なければならないので、とりいそぎ、速報ということでここまでとさせてください。