AIの助けを借りて蔵書印を解読/蔵書印ツールコレクションの公開

このたび、一般財団法人人文情報学研究所より、「蔵書印ツールコレクション」が公開されました。

https://seal.dhii.jp/

構築の経緯など、詳しくは「蔵書印ツールコレクションについて https://seal.dhii.jp/about/」をご覧ください。

 このツールコレクションの目玉は、18万字の篆字画像を用いたディープラーニングによる篆字画像検索です。篆書で読めない蔵書印を、1文字でも2文字でも、画像で文字検索することで文字単位での確認を支援するものです。文字が確認できたら、そこから今度は蔵書印データベース検索にジャンプすることで、蔵書印そのものの検索もできるようになっています。すでに蔵書印データベースに登録されているものであれば、そこで同じ蔵書印を見つけることができるかもしれません。この使い方に関しては解説動画もありますので、そちらもご覧になるとよいかと思います。

 このツールコレクションでは、篆字画像検索以外にも、篆字の部首検索システムと蔵書印データベース検索システムが組込まれています。この2件は、元々は国文学研究資料館から公開されていたものですが、今月に運用停止となることが決定しており、このツールコレクションに組込む形で継承することになりました。いずれもツールコレクション組込み時に改良が行われていますが、特に蔵書印データベースの検索システムに関しては完全にリニューアルされているので、既存のものとはまた違った使い勝手でお楽しみいただけるのではないかと思います。

 蔵書印データベースの組込みにあたっては、画像の利用許諾等で色々大変だったのですが、それはまた別の機会に、ということで、とりあえずは、新たに九州大学附属図書館の蔵書印データベースのコンテンツが統合されましたので、それも含めてお楽しみいただければと思います。