人文学のためのテキストデータ構築入門を教科書として使う場合

『人文学のためのテキストデータ構築入門』は、表題の通り、人文学のためのテキストデータ構築全般についての入門書という位置づけの本ですので、教科書として使っていただくこともできます。ただし、色々な要素を含んでいますので、用途に応じて取捨選択しつつご利用していただくのがよいかと思います。また、フォローアップサイトに教材を色々置いてありますので、そちらもご覧ください。以下に、例を少し示してみます。

https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-909658-84-5.html

全般的に教科書として使いたい場合

『人文学のためのテキストデータ構築入門』は、最初から読んでいただいて、第二部の終わりまでが、入門的な教科書としての役割を持っています。手書き文字認識とTEIガイドラインに準拠したデータの作り方と使い方が解説されています。使い方の方を深めたければ、フォローアップサイトの方に詳しい解説と用例があります。

TEIガイドラインに準拠したテキストデータ作成の教科書として使いたい場合

手書き文字認識はちょっと授業などで扱うにはややこしそうだしテキストデータそのものについての解説も特に必要ないので、TEIガイドラインの部分のみを授業で扱いたい…という場合には、以下のような順序で使っていただくことをおすすめします。

  1. 第二部第三章をベースにTEIガイドラインの概要の説明

  2. 第二部第四章をそのまま使ってOxygen XML Editorでのマークアップ手法の説明

2.0. XML全般についての解説

2.1. Well-formedなXMLの作成について

2.2. XMLに準拠したValidatedなTE/XMLの作成について

2.3. 書誌情報等、やや応用的なマークアップの手法について

  1. 第二部第五章をそのまま使ってマークアップしたデータを活用してみる手法

==========ここから先はさらなる活用手法など====================

  1. フォローアップサイトに掲載されている他の漱石書簡ファイルを使って第二部第五章の手法を応用してみる

  2. フォローアップサイトに掲載されている「TEI/XMLファイルの活用手法の例」に順次取り組んでみる(これは授業数回分)

応用編として自分の資料をマークアップさせたい場合

コラム1で、マークアップの指針を決める上での考え方を示していますので、こちらを参照した上で、自分の資料のマークアップについて検討していただくことを企図しています。また、第三部、第四部は応用例ですので、実際に各自がマークアップをしたり使ってみたりする時の参考情報としてご利用ください。

実習なしで座学として使いたい場合

実習なしの座学のみでも、少なくとも講師側はある程度TEIを理解していないと難しいと思いますが、テキストデータ構築の理論的な側面について検討する講義も可能になっております。その場合、たとえば以下のような形でご利用いただけます。


  1. 第1部 第1章 人文学のためのテキストデータの構築とは

  2. 第1部 第2章日本におけるテキストデータ構築の歴史

  3. 第2部 第3章 TEIガイドラインとは

  4. コラム1 TEIガイドラインで自分の資料を作り始めるには

  5. コラム 2 TEI協会 東アジア/日本語分科会の活動

  6. 第3部 第1章 日本古辞書のTEI符号化

  7. 第3部 第2章 TEIを用いた『渋沢栄一伝記資料』テキストデータの再構築

  8. 第3部 第3章 TEIとRDFを用いた財務史料の構造化

  9. 第3部 第4章 TEIデータの可視化方法と事例紹介

  10. COLUMN 4  著作権法改正で Google Booksのような検索サイトを作れるようになる?

  11. COLUMN 3  TEIにおけるセマンティック記述と (講師側がセマンティックWebを理解していれば)

適宜紹介: TEI活用の事例紹介(1)〜(6)


組み合わせ方は色々だと思いますので、適宜ご検討してみてください。