ジャパンサーチ(BETA)を探検してみる記事の続きです…が、意外なことに、他のブログ記事に比べると公開時のアクセス数が全然のびません。夏休みの人もおられるのかもしれませんが、ジャパンサーチ(BETA)の注目度はまだまだこれからということなのでしょうかね。
さて、相変わらず、あまり調べないままに、専門分野外のことで改めてちょっと試用してみます。先週は、台湾の高雄にある仏光山というところにご招待いただいてデジタル時代の仏教学に関する講演をしてきました。そこで、所蔵している大蔵経をみせていただいたり、そこで編纂しているデジタル大蔵経についての説明をじっくりおうかがいしたりしてきました。仕事としてはそういう感じだったのですが、一方、仏光山は仏教のテーマパークとも呼ばれる場でもあり、大きな仏像や仏画をそこここで見ることができました。釈迦牟尼仏・阿弥陀仏・薬師如来の立派な仏像なども拝見することができ、改めて東アジア一円に広がる仏教信仰の篤さに思いをはせたりしていました。そこで、仏像関係はまったく素人なのですが、日本の薬師如来像はジャパンサーチだとどういう風に出てくるのかなと気になってきたので、ちょっと調べてみることにしました。
昨日に引き続き、ジャパンサーチのページを開いてみます。さあ、検索だ・・・、と、あ、そうそう、右上にカーソルを持って行って虫眼鏡アイコンをクリックしてから、ですね。これ、タッチパネルだと使いやすいと思うのですが、自分のノートPCだとなかなか不便ですね。せめて、タブキー押し下げで検索窓が開くといいですね。これは、APIなどを使って各自が別に自分の使いやすいインターフェイスを開発しろというメッセージだとすれば優れたものだと思います。DPLAやEuropeanaだと、開発者コミュニティが割とできあがっていて周辺ソリューションもちょこちょこ開発提供されていますが、日本だと、まだそういうコミュニティが十分に育っていないので、そういう契機を提供することに取り組むのも大事だと思います。そこら辺のポリシーは私レベルの末端利用者には全然聞こえてこないので、これは正式版を待つことになるでしょうか。
というわけで、まずは薬師如来を検索してみました。1,213件見つかりました。さて、仏像関係は素人なので、ここから先、どうしたらいいのかよくわかりません。よくわからない時は、ファセットの一番上に「権利区分」が来ていても、うーん?という感じです。まずは、提供されているコンテンツの種類がわかるとありがたいなあと思います。想像するに、きっと、立体の薬師如来像の写真とか、薬師如来が書かれた絵の平面写真、あるいは、それを説明する古典籍・古文書、現代の解説書や、それについて言及している論文もあるでしょう。あと、近所の東京国立博物館でやっている特別展示会では薬師如来も並んでいることが結構あるので、そういう情報もみつかるといいなあと思います。
そこで、ファセットを上からみていくと、「カテゴリー」というのがあります。「書籍等」「文化財」「美術」「人文学」「放送番組」…などとなっています。なんと、一番下には「舞台芸術」!ということで、素人なので、まずは面白そうな舞台芸術をみてしまいます。そうすると、早稲田大学 坪内博士記念演劇博物館の奈良絵本「しやうるり」がリストされました。ありがたいことに「備考」に少し詳しい解説が出ていました。前々回からの流れで言えば、このコンテンツ情報ページを開いた際にこの「備考」欄も一緒に表示されたので、これはありがたいことでした。この備考欄のテキストを使わせてもらえるとありがたいかもしれないので、「収録されているデータベース」の項目のデータベース名「演劇博物館名品セレクション」をクリックしてみると、メタデータの利用条件も表示されて、CC BY 4.0となっていました。これはライセンス的には使いやすそうです。ただ、この場合、出典情報表示はどのようにすればいいのでしょうかね?所蔵機関は「早稲田大学 坪内博士記念演劇博物館」で、データベースは「演劇博物館名品セレクション」ですので、サイトポリシーの例からすると、ジャパンサーチ「演劇博物館名品セレクション(早稲田大学 坪内博士記念演劇博物館)」でいいのでしょうかね?ちょっとよくわからなくなってきているので今回は引用しません。やはり、コピペできる形でコンテンツ情報ページに表示していただけるとありがたいです。(あるいは表示しないでもCopyボタンだけでも)。ちなみに、「収録されているデータベース」の下、「演劇博物館名品セレクション」の左には○に囲まれたハンバーガーアイコンがあるので、とりあえずこれを何度かクリックしてみてしまいました。が、このハンバーガーアイコンは、よくある□に囲まれたハンバーガーアイコンのようにここにメニューが隠れているというわけではないようです。前回も含めて、だんだん慣れてきました。一度きちんと覚えると、「メタデータの利用条件の確認」を素早く操作できるようになってしまうので、今度は逆に、使いやすく変更されても文句を言ってしまうめんどくさいおじさんになりそうです。ですので、とりあえずBETAの段階では、あまり慣れてしまわないように注意する必要もあります。
ところで、このデータは、サイトに行ってもサムネイルしかありませんでしたので、内容を見ることはできなさそうです。しかしながら、奈良絵本のしゃうるりなら、他のところでも公開していそうな気がします。そこで、検索!と思って検索窓を探すと・・・あ、右上の虫眼鏡アイコンをクリックですね。カーソルを持って行って・・・クリック!で、「奈良絵本 しやうるり」「奈良絵本 浄瑠璃」などといくつか検索してみます。前者は5件ヒット、後者は27件ヒットでした。
とりあえず前者のリストを見てみると、ファセットの権利区分のところには「著作権あり 3」となっています。サブカテゴリーで「映画 1」というのもありますので、やはり素人なのでわかりやすそうな「映画」をクリックしてみると、やはり同じく、「演劇博物館名品セレクション」の奈良絵本のみがリストされました。これはもう見たものですので、リストに戻って、二つ目の「浄瑠璃物語研究 : 資料と研究」を見てみましょう。そうすると、コンテンツ情報ページの著作権情報のところは「国立国会図書館/図書館送信参加館内公開」となっています。二次利用条件のところは「著作権あり」となっていて、かつ、教育利用・非商用利用・商用利用の3箇所とも×です。メタデータ一覧の下の「すべて表示」ボタンをクリックすると目次が表示されるので、なんとなく内容が想像できてありがたいです。そこで気になったので、ブラウザの「戻る」ボタンで一つ戻ります。「奈良絵本 しやうるり」で検索した結果一覧です。「権利区分」で「著作権あり3」となっていますが、この場合は3件ともWeb上では閲覧できないもののようです。権利区分としては「著作権あり」で正しいのだと思いますが、著作権ありでもWebで閲覧できるものもあるのではないかと思いますし、一方、たとえばCCライセンスでもCC0以外は著作権はあることが多いので、「著作権あり」という表記はちょっとミスリーディングのおそれありかもという気がします。Webで閲覧できるかどうかは「コンテンツ公開」というファセット項目があってそこで「限定公開」となっているので、そこであわせて判断せよということなのでしょうね。ただ、これもちょっとハードルが高い感じがしますね。普通の人に気楽に使ってもらうことを目指すなら、「コンテンツ公開」と「権利区分」をもう少し整理できるといいのかなあとも思いました。
さて、とにかく、「奈良絵本 しやうるり」では薬師如来にはあまり迫れなかったので、次に「奈良絵本 浄瑠璃」を検索です。一覧に戻る前にコンテンツ情報ページから検索、と思ったらやはり虫眼鏡アイコンをクリックしなければならないようである上に、虫眼鏡アイコンをクリックしても、先ほど入力したキーワードは表示されてくれません。では前のページに戻ってみるか・・・と、戻ると、ページとしてはちょっと重いですが、多分キャッシュで残っていてくれると思いますので、この方が軽いでしょうかね。検索キーワード欄には「奈良絵本 しやうるり」が残っていますので「奈良絵本 浄瑠璃」と書き換えて検索です。そんなのめんどくさがらずに毎回入力したっていいじゃないか、と思う人もおられると思いますが、まあ、ちょっと入力のしにくい文字で検索する機会も多く、なるべく前に入力した文字は再利用する方向ですので、ご容赦ください。
「奈良絵本 浄瑠璃」だと27件ヒットします。「コンテンツ公開」を見ると「限定公開 13」「デジタルコンテンツなし 2」となっています。デジタルコンテンツなし、をクリックしてみると、2つとも演劇博物館名品セレクションでしたので、戻って(この場合は、デジタルコンテンツなし、のチェックボックスのチェックを外すと戻ります)、ざっと見てみますが、画像を見ることはちょっと難しそうです。そこで、別にどこかないかな・・・と思ってGoogle 検索してみますと、こういうのがありました。同じものかどうかわからないのですが、とりあえず薬師如来の申し子である浄瑠璃御前の姿が、小さいながら確認できたような気がします。サントリー美術館のサイトでしたので、こちらもジャパンサーチに参加していただけるとありがたいですね。さらにもう少し検索してみるとこういうものもありました。こちらは、立命館大学アート・リサーチセンターが提供するデータベースのようです。これは大変ありがたいですね。これもジャパンサーチに入ってくれていると、ジャパンサーチでの探し物がはかどりそうですが、もう入っているのでしょうかね?(ここら辺も、末端利用者にはよくわからないところです)。
さて、奈良絵本につい入り込んでしましいましたが、元のテーマは薬師如来です。気を取り直して、一から検索しなおしてみたいですが、ここで少し振り返ってみると、「カテゴリー」でとりあえず「舞台芸術」を選んだところからハマっていきました。もし、「カテゴリ-」のところで、「舞台芸術」1件が「デジタルコンテンツなし」か、あるいはせめて、「Web公開なし」であることがわかっていれば、おそらくそもそも「舞台芸術」をクリックしてGoogle検索までして・・・という風にはならずに済んだでしょう。ジャパンサーチ内でユーザに楽しんでもらうなら、カテゴリー/サブカテゴリーの各項目でそれぞれにWeb公開コンテンツがどれくらいあるのか(あるいはないのか)ということも一緒に表示されているとよいかもしれません。
それはともかく、ここまでの学びとして、ウェブ公開コンテンツを見たいのであれば最初にファセットの「コンテンツ公開」で「ウェブ公開」を選んでおけばいいということを覚えましたので、これをクリックです。それでもまだ154件も残っています。ウェブ公開なのに「著作権あり」というのがありましたので、それをちょっと見てみましょうか。NHKからのコンテンツで、メタデータが提供されています。コンテンツのページへのリンクをクリックしてみると、新日本風土記アーカイブズのサイトで動画も見ることができました。これは素晴らしいですね。ともあれ、コンテンツ利用条件は3つとも×ですので、メタデータだけでも使えるのかなと思ってみていくと…メタデータの利用条件はまだ何も書いてないようです。とりあえず、このコンテンツやメタデータを再利用して何か新しいコンテンツをつくるのは、今のところちょっと難しそうですが、とりあえず、動画で薬師寺の薬師如来像を見ることができたので、素人としてはちょっと満足してしまいました。ですので、今回はここまでとしておきます。今回は特に面白いことを提供できておらず、ここまで読んでいただいた方には申し訳ありませんが、引き続きよろしくお願いいたします。