ジャパンサーチ(BETA)を探検 その3

前回に続き、素人路線ということで、もう少し薬師如来像についてジャパンサーチ上での探検を続けてみます。

「薬師如来」だと1,213件なのですが、「薬師如来像」で検索すると318件になります。なるほど、像かそうでないかで違うのか、 と思いきや、「薬師如来立像」もヒットしてないようです。これは、少し考えてみると当たり前のことではありますが、油断は禁物ですね。 こういうのも「像」⇒「立像」というようなあいまい検索ができるといいのかなあ、とは思います。曖昧検索も、 カスタマイズできたり、ユーザグループで類義語辞書を共有できたりするとなおよいのかもしれません。 ただ、この場合は「薬師如来 像」でAND検索することで960件となって「薬師如来立像」も検索できましたので、当面、利用者側としては AND検索で切り抜けることを考えるといいのかもしれません。

さて、薬師如来像で960件ヒットしたので、ここから何か面白いことはできないかなともう少し考えてみます。960件だと、 1つ1つみていくべき数ではありません。そこで再びファセットに注目してみます。Webで見られないコンテンツを見に行ったり 利用請求したりするような濃いユーザではありませんので、とりあえず再び「コンテンツ公開」の項目で「ウェブ公開 112」 を選んでみます。なんとなく見てみたいのは仏像ですので、仏像の画像を見られそうなのはどれかな…と思って ファセットを眺めてみると、「カテゴリー」のところで「美術 20」「文化財 19」といったものがあります。二つまとめて 選んでみたいですね。とりあえず「美術」をクリックしてみると、20件絞り込まれます。しかしここでなんと、 「カテゴリー」を改めて見てみると、「文化財 19」というのもまだ残っています。この場合、おそらく、 カテゴリーの欄に美術かつ文化財という情報が並記されているレコードが19件あるということなのでしょう。 そして、「データベース」の項目を見ると「ColBase 19」「ARC 浮世絵ポータルデータベース 1」となっています。 せっかくですので、まずはARC 浮世絵ポータルデータベースの方をみてみましょう。コンテンツ情報ページを見ると 「所蔵機関」は「東京都立中央図書館」となっています。「連携機関」が「立命館大学アート・リサーチセンター」、 「収録されているデータベース」は「ARC浮世絵ポータルデータベース」です。ここでも少しメタデータが付与されて いますが、その利用条件は所蔵機関から提示されるものなのか、連携機関からなのか、このページからだとちょっと よくわからないですね。やはりこの画面でそれが明示されてコピペできるようになっているとありがたいですね。

さて、タイトル「薬師如来像(国華第一五三号)(写真)」の下にある「ARC浮世絵ポータルデータベース」というボタンを クリックして、その先のページに行ってみます。が、これはうまくアクセスできませんでした。リンク先のサイトの がちょっとお休み中か、データベースが引っ越ししてしまったのかもしれません。 東京都立中央図書館 所蔵先管理No.: 343-C017 という情報も記載されていましたので、東京都立中央図書館 のサイトで別途探してみましたが、ちょっと探したくらいではうまく見つかりませんでした。筆者も、 サイト間連携サービスを構築運用することがありますが、これはなかなか難しい問題です。

ということで、残りのレコードは今のところColBaseからのものだけですので、それだけを絞り込んでみます。 19件ですので、一度に表示する件数を変更しなくても1ページで一覧できます。ページの一番下までいくと「キーワードに関連するギャラリー」 というコーナーがあり、「熊野三山」へのリンクもあります。クリックすると、熊野三山に関する解説と、色々な情報への リンクがありました。ふむふむ。新宮の本地仏が薬師如来ということで文字列検索でヒットしたような感じですね。 このページはなかなかよい感じです。ただ、今回は、薬師如来の姿をみたいという話なので、ちょっとずれますかね。ということで、また検索結果一覧に 戻ります。一つずつみていくと、多少の解説もついていて面白いですね。薬師如来立像のコンテンツ情報ページの解説をみていると 「那智山経塚から出土した一群の金銅仏中の1軀」という一節がありますので「那智山経塚」というのがちょっと気になります。他にどういう ものが一緒に出土したのでしょうか?ということで、この文字列を検索してみます。ここで「那智山経塚」をドラッグすると、検索 ボタンがポップアップする、というサイトが最近は結構増えていますが、ジャパンサーチはまだそういう機能はついてないようです。 ので、コピーして検索窓…は、右上の虫眼鏡アイコンをクリックですね、で、ペースト、です。やはり、ちょっとマウスポインタの 移動量が大きくなっちゃって不便な感じがします。正式版では色々なんとかなってもらえるとありがたいですね。

で、「那智山経塚」で検索すると、ウェブ公開されているものは2件、「観音菩薩立像」も一緒に出土したみたいですね。他に 何が一緒に出土したのか、この情報だけだとわかりませんので、ついでにググってみると、 大日如来像も出土したような感じですね。論文等で何かないかなと思ってCiNiiで検索すると2件、INBUDSというサイトで検索してみると、 3件ヒットします。 少しきちんと調べて見たくなったらこういうものも見てみるとよさそうですね。あるいは、こういった情報もジャパンサーチで 検索できるようになっていると、もうちょっとジャパンサーチの利便性が高くなりそうですね。

ということで、また薬師如来立像に戻りましょう。右の方に「♡」のアイコンがあります。これは・・・?ツィッターの お気に入りアイコンに似てるけど・・・と思ってクリックしてみると、「ノートに登録されました」と出ました。ふむふむ なるほど。「ノートを見る」というリンクも表示されますので、とりあえずクリックしてみます。そうすると、 なんと、「最初のノート」というページに遷移して、今見ていたコンテンツの情報がリストされています。なんと、 個々のコンテンツに注釈もつけられるようです。保存できるようになっていますが、使用しているWebブラウザの LocalStrageに保存されるみたいですね。サーバ側に保存されるわけではないので、データを勝手に消されたりする心配は なさそうですが、ブラウザを変えたりするとデータを読めないのでちょっと注意しておく必要がありそうですね。 ここら辺は、ベータ版なので、正式版ではまた違う感じになるかもしれませんね。

さて、まあとりあえず、いったん削除してみようかな・・と思ってアイテムのパネルの右下についている「♡(赤くなっている)」をクリックすると、 いきなり消えちゃいました。同じレコードをもう一度ノートに登録してみても、さっきつけた注釈は戻ってこないみたいです。ここも ちょっと注意が必要ですが、正式版ではもっとスマートな感じになってくれるのではないかと期待したいところです。

ノートの機能をもうちょっとだけ見てみましょう。どうやら、検索結果もノートに追加できるようです。そこで 登録してみますと・・・ノートに検索結果が丸ごと登録されて、そこからさらに、自分のノートに個別に追加していく ことができるようです。なるほどなるほど、という感じです。注釈をつけたければ、いったん個別登録してから、 ということになるようです。こうやって色々メモをしながら検索していけば、あとからさらにそれをとりまとめて 何かを作ったりすることができる、という感じの使い方を想定しているのでしょうか。既存のツールで すでにそういうことに慣れている人は既存のツールを使うでしょうが、これから初めて、という人には 割とよい感じかもしれませんね。

ということで、今回の試用レポートはここまでです。