Omeka IIIF ToolKitを少し便利に

少し時間が空いてしまいましたが、その後、SAT大蔵経テキストデータベースの再構築作業をはじめ、手元の作業に時間を費やしておりまして、しかしシステムが大きくてなかなか公開するところまで至らず、ブログ更新するネタがない状態できておりました。一方で、リアル(?)講習会(IIIF講習会やTEI講習会など)は着々と実施しておりまして、12月には沖縄県立芸術大学琉球大学附属図書館でもIIIF講習会を実施しました。その後引き続き、基本的にはSAT大蔵経テキストデータベースの再構築作業を続けているのですが、機能が多すぎてまだ公開できるところまでたどり着いておりません。もう少ししたら公開できると思いますので、もうしばしお時間をください。

 

 それはともかくとしまして、今回は、東京大学の「文化資源デジタルアーカイブ特論」という3日間の集中講義のなかでOmeka IIIF Toolkitを実習教材として使った際に、受講生から出た要望にもとづいて少し改良をしましたので、それをご報告したいと思います。

 Omeka IIIF Toolkitでは、これまで、地図上にプロットした点などをクリックした際に、そこに紐付けられているアノテーションがどんなに小さかったとしても画像全体が表示されてしまって、ただでさえ小さなMiradorの画面領域で、アノテーションがとても小さく表示されてしまい、いちいちユーザが拡大して確認しなければなりませんでした。技術的には紐付けられていて、辿ることもできるようになっているとしても、これではちょっと不便です。それを受講生に指摘されて、なんとかならないものかと思ったので、集中講義の期間中、夜にちまちまと宿題的にコーディングしてみました。相変わらず適当なコーディングですが、一応、動くようになったので、Githubに置いてみております。そもそもfile_get_contents()を使うよりも直接必要なパラメータを既存の値から取得した方がいいと思うのですが、それをどうやって取得すればいいのか調べる時間が惜しく、とりあえずすぐできる方法ということでこういう風に書いてしまいました。具体的には、以下の画像(動画GIF)のようになります。

 

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たとえばこちらのサイトなどで実装してみています。

 

地味な変更ですが、ピンポイントで結構便利な感じになるのではないかと思います。もしIIIF Omeka Toolkitを利用しておられるかたがおられましたら、既存のファイルのバックアップをとった上で、上記のファイルを入れ替えてみていただくと、それだけで使えるはずですので、よかったらお試ししてみてください。あと、拡大のためにMiradorに渡すパラメータを、もっと良い案配に調整していただくことももちろんアリですので、よりよい計算式を作られたらぜひご教示ください。(ちなみに、Miradorが依拠しているOpenSeadragonでは、位置情報を採るときに、縦軸は横軸の長さに対する相対値で見ますので、Media Fragments URIとのやりとりをする際には、その点、注意が必要です。)

 

ということで、よろしくお願いいたします。