前回と前々回の記事の続きです。
百鬼夜行絵巻のつながり方についての議論を少し前に山田奨治先生からおうかがいしたこともあり、国デコ(国立国会図書館デジタルコレクション)に百鬼夜行絵巻が二つ入っていることは以前から気になっていました。これも並べて見たらどうなるんだろう、という素人の関心に過ぎませんが、絵柄が面白いということもあり、なんとかしたいとずっと思っていたのでした。
色々なご縁で作業効率を上げることになり、ようやく一つできたのですが、そうすると、もう一つもささっとやってしまいたくなるものです。そこで、できたのが以下のURLです。
http://candra.dhii.jp/nagasaki/mirador201706/mirador/hyakki2.html
ただし、このURLにアクセスするだけでは使い方がよくわからないかもしれません。現状では、少しお作法が必要になります。以下の手順を見てから挑戦してみてください。(特に、以下の手順4. のタイミングが重要です)
1.まず、上記のURLにアクセスすると以下のような頁が開くはずです。ここで、二つのウインドウ用にそれぞれアイテムを選択する必要があります。上から一つずつやっていきましょう。
2.「アイテム追加」をクリックすると、以下のような画面になります。まずは上の方をクリックして選択してみましょう。そうすると・・・
3.以下のような画面になります。ここではまだ画像表示はされません。もう一つ、下のウインドウの方も同様にしてアイテム追加をしてください。今度は下の方のアイテムを選んでください。
4.そうすると、以下のような画面になります。ここで、画面左上の「絵巻の全画像を表示」ボタンをクリックしてください。そうすると・・・
5.以下のような画面になるはずです。ここでは、それぞれの画像をするすると動かしたり拡大縮小したりできます。色々試してみてください。
6.なお、左側のサイドパネルを非表示にすることもできます。そうすると以下のようにすっきり見えますね。
たったこれだけなのですが、今まで簡単ではなかった色々なことが、IIIFという規格に準拠することによって、割と簡単に、フリーソフトウェアを組み合わせることで実現できるようになりつつあります。まだ少し面倒な手順が残っていますが、それも徐々に改善されていくと思われます。
なお、この頁にいきなり来てしまった人は、なんだかよくわからない、と思われるかもしれません。すでにそういうサービスがあるのに、と思う人もいらっしゃると思います。
この話は、バラバラに分割されて公開されている画像を、ビューワ上で統合的して閲覧できるという話であり、そして、それを実現するためにはIIIFという国際的に大きく広まりつつある規格に準拠して公開すればよいという話です。
まず、基本的に、国際的に広まっている規格があれば、それに乗っておいた方が後々良い展開になるという傾向が最近ますます強まっています。しかしそれだけでなく、この事例の場合には、大きな画像を1つにまとめてから公開するのはハードウェア的にも人的コストとしてもかなり大変ですが、分割画像を公開してからWebブラウザで表示する際に統合するという方法ですと、そういったコストが多少なりとも(あるいはかなり?)節減できるかもしれない、という期待もあります。そのようなことを考えて、前々回からの一連のブログ記事を作成してみています。
詳しくは、このブログの前回・前々回の記事や、IIIFという規格の紹介記事(ただし、1年前の記事です)などを読んでみていただけますと幸いです。